春、君と恋に落ちる
「…俺も、嫉妬してたよ。晴ちゃんが取られると思った。気付いたら殴りかかってた。」


そう言いながら私の肩に頭を乗せる。

蒼くんが、嫉妬?


「俺の晴ちゃんなのになって、そう思ったら離れてく晴ちゃんが怖くなって。」


先程とは違う落ち着いた声。

この感情に名前を付けるなら、これが恋になるんだろうか。

あの春から既に始まっていて。

ああ、そうか。

私はずっと、乱暴で滅茶苦茶な君に恋してる。
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