春、君と恋に落ちる
Episode4
色々あった夏が終わって、冬が来た。

蒼くんとの日常は変わらず続いている。

学ランの上にハイネックなアウタージャケットを着ていて寒そうにポケットに手を突っ込んでいる。


「流石に寒すぎ。今日お昼屋上階段のところだよね」

「はい、流石に裏庭は風邪引いてしまいます。」


鼻を赤くして、寒いのが十分に伝わってくる。

自分が着けていたマフラーを外すと、「蒼くん」と呼び止めて蒼くんの首に掛けてあげる。


「え」

「風邪引いて一緒に学校いけなくなるの悲しいですから」


そう言うと蒼くんがマフラーを掴む。


「…晴ちゃんの匂いする。いい匂い。」

「そんな匂いますか。」


そう言って再び歩きだすと、蒼くんが私の手を掴んでくる。


「こっちも温めて」


手を握ってそのまま蒼くんのポケットに突っ込む。

こんな事をしてくるのに、蒼くんは私のこと…。

考えて首を横に振った。
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