春、君と恋に落ちる
きっとまだ好きなのは私だけで蒼くんに恋愛感情なんて無いはず。

勘違いしちゃいけない。

握られている手は熱く、胸がドキドキしてうるさい。


「来月クリスマスだけどさ、晴ちゃんはどうするの」


クリスマス、無縁すぎて忘れてた。

何も答えない私に蒼くんは顔を覗き込んでくる。


「クリスマス…ってそもそも何して過ごすんでしょうか」

「…俺もわかんない。小学生の時はケーキ食ってチキン食ってプレゼントもらった」


可愛いミニ蒼くんを思い浮かべてしまって思わず悶えそうになる。

大喜びする蒼くんはそれはそれは可愛いに違いありません。


「俺と一緒に考えながら過ごしてみる?」

「え?」


思わぬ提案に聞き返してしまった。

一緒に過ごすって言った?
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