春、君と恋に落ちる
家に帰ると変わらずリビングに義母がいる。

飲み物だけ取ろうと静かに冷蔵庫を開けた。

そんな時「晴さん」と声を掛けられた。


「はい」

「今年もクリスマス前から向こうに行きますが、勉強と家の掃除は怠らないように。何かあっても電話してこないでね」


3週間近く家を開けるのに言う言葉はそれか。

もう何も期待なんかしないけど。


「わかりました、お父さんによろしくお伝え下さい。」


それだけ言って部屋に上がる。

義母は私が邪魔だから着いてこいなんて言うはずがない。

私も、どうでもいいけど別に。

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