奪われた命、守りたい心

４．復讐の始まり

告別式が終わり、父の職場に荷物整理に訪れた春華。彼女の心にはまだ、父を失った悲しみと、事件への憤りが消えずに残っていた。

事務所に向かう前に立ち寄ったトイレで、春華は思わぬ噂話を耳にする。

「この前亡くなった大和さん、犯人まだ捕まってないんだって？」

「なんか田辺総理大臣が関係してて、下手に動けないらしいよ。亡くなったのが警察官だから、結局うやむやに終わるみたい。」

「えー、それヤバくない？」

春華は驚きとともに憤りを感じた。
「警察官なのに、うやむやにされちゃうの？ お父さんが必死で守った世界を……私が絶対、父の仇を取る。」
強い決意を胸に、春華は父の事務所へと向かった。

途中、颯真に出会う。



「こんにちは。お仕事お疲れ様です。」

「こんにちは。今日はどうしたの？」

「父の荷物を取りに来ました！」

「そっか。……あ！ そういえば、明日何か予定ある？」

「いえ、特には？」

「じゃあ、一緒にディナーはどう？」

「わかりました。」

日曜日にディナーの約束をしたふたり。
春華はどこか安堵感を覚えつつも、心の奥底では事件の真相を追い求める気持ちが渦巻いていた。

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