拳から恋







──あー、ちょっとだけ筋肉痛だ。



ワンパンで倒したらゴメンね、と言われたものの、わたしがワンパンで倒しちまった。


そこから、次々とかかって来たもんだから……久々に暴れた腕が筋肉痛よ。

それで鈍ってるなぁと思いながら相手してたら、いつの間にかわたししか立ってなくて、

おまけに情報聞き損ねるという……またも失態をやらかした。


「だけど今日こそ……」



「おはよう。花蔭聖さん」

「ん?」



誰だ?赤髪……昨日は見かけたなかったはず。


「どうも……」

「ははっ、そんな警戒しないで。僕は大月京(おおつきけい)。君と同じ学年だよ」

「……自分に何かご用ですか?」


にこにこと纏う柔らかい雰囲気。



「うん。君、今日からBクラスだよ」

「B?自分、Dクラスなんですけど。振り分けミスか何かでしょうか?」


今日から、の意味がわからない。

大月くんは、首を横に振った。


「入れ替えだよ」
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