拳から恋
あっけなく
『どうだ、トップとは接触できたのか』
父に進捗を聞かれ、二人にはと答えつつ、
それとなく、何を見つけるのか聞いてみたけどやっぱり教えてはくれなかった。
「少しくらい教えてくれてもいいのさっ!そうすればモチベーションだって上がるっていうのに」
独り言を言いながら、
昇格が書かれたクーポンを使い、わたしはベンチでドーナツにかぶりついていた。
「はやく三人目見つけて、ドヤ顔してやるっ」
美味しいドーナツを、眉間にシワを寄せながら食べ続けていると、
「あれは確か……」
見知った人物が正面から歩いて来た。