拳から恋




──うげっ



間違いない。


茂みの所いた、金髪お寝ぼけくんだ。




どうする?隠れ……いや待てよ、互いに学校で見たことあるだけで、真正面から話したことはない。


それに今は制服じゃないから、例え覚えられていても、眼鏡なしのわたしには気付かないだろう。


平然として通りすぎるのを待てばいいだけじゃないか。
……焦って損した。



でも一応、顔下げとこ。




ドーナツを食べる振りをして俯いていれば、金髪くんはわたしの横を過ぎ去って行った。



「……ほらね」





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