拳から恋
「花蔭!!勝負しようぜ!」
「……げっ」
また来た……
休み時間の度に、こうして勝負、勝負と言いにくる風間くんのせいで、自由な時間が取れないのだ。
"どうだ!?"と目を輝かせながら、わたしのもとへやってくる風間くん。
このままこの生活を繰り返していたら、わたしの目的はいつまでも果たせない。
「あのさ……あ"ーちょっといい?」
「おうよ!」
勢いよく立ち上がり、わたしは風間くんを手招きした。
風間くんは、嬉しそうに頷いてくれるけど……勝負するわけじゃないからね?