拳から恋
廊下の窓側の壁に並んでもたれ、白鳥くんはわたしを見据えた。
「手短にって言うから率直に聞くけど、お前──」
「居た花蔭!廊下にいるってことは、やっとやる気になったのかっ」
oh……来てしまった。
しかも、今回は先程回収してくれた大月くんも一緒だ。
「……ってなんだ、雅も花蔭に挑みに来たのかよ」
「は?違うけど。つーか、名前で呼ぶなっていつも言ってんじゃん」
知り合い……なんだ。
親しい、ように見えるような見えないような。
「何?雅も花蔭さんと知り合いなの?」
「だから……ったく」
余程名前を嫌っているのか、みやび呼びをされ白鳥くんはご機嫌斜めに。
名前、合ってると思うけど。
どうやら地雷のようだ。