拳から恋




「二人は白鳥くんと仲良いの?」


「うーん、仲が良いかはわからないけど、話すことは多いよ」


「そうなんだ……」



この流れで聞いてみるか……?ロスした時間を取り戻すわけじゃないけど。



「……二人は、S──なんだよね」



「ああ」

「そうだよ」


「いつもはどこにいるの?」



風間くん単体ならまだしも、

大月くん同伴だから、誤魔化されるかもしれない。



「お前がこの前いた先だぜ?あの看板無視れば、Sのアジトだ」


あれ……


「アジトって……まぁいいや。僕たちSは空き教室がないから、使ってないフロア貸し切りだしたんだ」

「老朽化した階段にビビって誰もきやしねぇし。……だから花蔭、お前があそこに居た時、俺はすげー嬉しかった」



だから体が動いた、みたいな口振り。

……Sになって、同等にやりあえる人間を探していた、と。そんなとこかな。

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