拳から恋
三人目と昇格


「聖」


「……白鳥くん、早いね」



朝、待ってた、と言われた時と同じ場所に白鳥くんが立っていた。

帰りもそうだが、朝も待つほど話したいことってのは、重要なように感じる。

だから立ち止まって、切り出されるのを待った。



「昨日、あの後どうなった?」

「え?……あぁっ、やみくもに走ったら、いつの間にか撒けたみたいで、この通り無傷」


「そう」



嘘だけど。

また高架下に誘い込んで……と思ったのに、対策されていたみたいで
なかなかひと気のない所に行けないでいたら、運良く河川敷見つけて──
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