日と霙の恋の虹

*完璧生徒会長の裏の顔


ピッ、ピッ、ピッ、ピピッ…!

「…んぅ…もう朝…?」

…ピピッ、ピピッ…!

静かな朝を、うるさい音が邪魔をする。

ピピピッ、ピピピッ…!

「あーもうっ、うるさいなー!」

カチャッ!!

朝五時半、私はいつもこの時間に起きる。
最初こそちょっときつかったけど、今になってはそうでもなくなった。
早起きは三文の徳だなんて言葉を、寝るのが大好きな私も堂々と言えるようになったのだ。
早朝ってすごく静かで風が気持ちいいしね。早起きをして気持ちよくちょっと勉強して身支度して、優雅に朝ご飯を食べて家をでる…うん、優等生っぽい。これでこそ【完璧生徒会長】。
白鳥学園の生徒会長への道正直はすごくすごく狭い。白鳥学園そのものがレベルの高い生徒たちが集まる学校なせいで、生徒から生徒会長に求められるもののレベルが異様に高い。求められるのは成績、運動神経、信頼、人格。まさに完全無欠な人材。そして【あの秀才が集まる白鳥学園の生徒会長】という今後にもとても役立つであろう称号を求める立候補者もとても多くて、倍率の高さが尋常じゃない。生徒の投票で決まる選挙制だけどこの争いは毎年本当に熾烈だ。蹴落とし合いなんて普通にあるし…いじめが起こる原因になることだってある。だから周りの人には絶対にダメなところとか弱みは見せちゃいけないんだ。
ちなみに、私はそんな白鳥学園の生徒会長を2年連続で務めている。中1の途中で転校してきて、その代の生徒会長も事情あって転校しちゃったんだよね。体力測定で各項目において満点を取り、編入テストで全教科98点以上を叩き出したという実績により、先生に半ば無理やり立候補させられ選挙でぶっちぎり1位、生徒会長の座を手に入れたというわけだ。
ほぼ先生からの圧力で立候補したとはいえ、なってしまったものは仕方ないからちゃんとやろう…なんて思っていたら見事今年も先生に圧力をかけられてしまった。初対面の生徒に圧をかけるなんて先生がいていいものなのかっていう疑問は残るんだけどね。


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