元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
1.私、また捨てられたんだ⋯⋯。
春の日差しが暖かくて気持ちが良い。
今日は花々に囲まれたガーデンにお茶の席を設けた。
集まった貴族令嬢たちとの大好きなお喋りの時間だ。
甘い花の匂いに包まれて私はまた幸せで楽しい時を過ごした。
美味しいものを食べて、会話をすることの幸せを噛み締められるようになったのは前世の記憶を取り戻してからだ。
孤立していた私に友人ができたのは、バラルデール帝国でできた初めての友人ジョージのおかげだ。
恋を知らず、人の好意を利用し「魔性の悪女」と呼ばれた私が愛し、愛される人に出会える日が来るとも思っても見なかった。
それまでの私はマルテキーズ王家の為に身を捧げるだけで、何をしても空虚に感じるつまらない女だった。
「では、皆様、またご一緒しましょうね」
今日はこれから、夫のアレクと春の植物を観察するお散歩に行く約束をしている。
私は令嬢たちとの交流を終え、政務会議をしている彼のことを重い扉の前で待った。
今日は花々に囲まれたガーデンにお茶の席を設けた。
集まった貴族令嬢たちとの大好きなお喋りの時間だ。
甘い花の匂いに包まれて私はまた幸せで楽しい時を過ごした。
美味しいものを食べて、会話をすることの幸せを噛み締められるようになったのは前世の記憶を取り戻してからだ。
孤立していた私に友人ができたのは、バラルデール帝国でできた初めての友人ジョージのおかげだ。
恋を知らず、人の好意を利用し「魔性の悪女」と呼ばれた私が愛し、愛される人に出会える日が来るとも思っても見なかった。
それまでの私はマルテキーズ王家の為に身を捧げるだけで、何をしても空虚に感じるつまらない女だった。
「では、皆様、またご一緒しましょうね」
今日はこれから、夫のアレクと春の植物を観察するお散歩に行く約束をしている。
私は令嬢たちとの交流を終え、政務会議をしている彼のことを重い扉の前で待った。
< 1 / 159 >