元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
「暗殺ギルドに行くのですか? 危険です。正気の人間がする事ではありません」
「では、ジョージが安心できるように言い換えますね。使えない暗殺ギルドに、任務に失敗した女を引き渡すように伝えてきます。皇族でもないジョージにギルドの場所が割れているだけで、3流です。それに皇家御用達のギルドなのでしょ。皇妃の私の言うことを聞かせて見せます」
正気の人間のすることではない事をしてきたから、私は今生きている。
私は14歳の時、レントル王国の建国祭で2歳年上の王子から熱烈な愛の告白をされた。
私は彼の好意を利用できると思った。
「私も好き、結婚したい⋯⋯」甘い言葉を返したら、脳が溶けた王子は王宮の機密情報を沢山教えてくれた。
その機密情報を利用して、父はレントル王国を攻めた。
母が死んだ時に、私の周りは敵だらけだった。
だから、マルテキーズ王国の主人である父に尻尾を振りまくり生き残った。
「モニカの言う通りにします。僕は君の犬です⋯⋯でも、優しい君が無理をしてそうなのが心配です。自分の幸せを1番に考えてください」
私に愛の告白をしてきた彼は、今では完全に私の犬になってしまった。