元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
20.裏の仕事は1度の失敗が命取りなのよ⋯⋯。
酒場に入ると、灰色の髪をした初老の男が目に入った。
昼から酒を煽って、だらしなくカウンターに突っ伏している。
飲食を扱う場所なのに店全体が埃っぽくて、私は思わず顔を顰めた。
「まだ、開店前です」
「当然よ。まだ昼だもの。昼からお酒を煽っているような貴方に用はないわ。私は皇妃モニカ・マルテキーズよ。暗殺ギルドの長に会いにきたの。仕事の仕方が3流だから、もう皇家からの仕事はない事を伝えにきたのよ」
私はだらしのない男の目を覚ましてやることにした。
「俺がこのギルドの長だ。見かけによらず生意気な女だな。皇妃だと? 雲でも食べてそうなお前がか?」
馬鹿にしたように笑う名も名乗らぬギルド長に溜息をついた。
皇帝のアレキサンダーに尻尾さえ振っておけば、私のような小娘の機嫌を取る必要はないと考えているのが丸わかりだ。
私は悪評込みで有名人なので、当然彼は私の事を知っているはずだ。
それなのに知らないフリをして、大物ぶっていて滑稽。
昼から酒を煽って、だらしなくカウンターに突っ伏している。
飲食を扱う場所なのに店全体が埃っぽくて、私は思わず顔を顰めた。
「まだ、開店前です」
「当然よ。まだ昼だもの。昼からお酒を煽っているような貴方に用はないわ。私は皇妃モニカ・マルテキーズよ。暗殺ギルドの長に会いにきたの。仕事の仕方が3流だから、もう皇家からの仕事はない事を伝えにきたのよ」
私はだらしのない男の目を覚ましてやることにした。
「俺がこのギルドの長だ。見かけによらず生意気な女だな。皇妃だと? 雲でも食べてそうなお前がか?」
馬鹿にしたように笑う名も名乗らぬギルド長に溜息をついた。
皇帝のアレキサンダーに尻尾さえ振っておけば、私のような小娘の機嫌を取る必要はないと考えているのが丸わかりだ。
私は悪評込みで有名人なので、当然彼は私の事を知っているはずだ。
それなのに知らないフリをして、大物ぶっていて滑稽。