元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
私を振り向かせ、陛下が真剣な眼差しで伝えてきたのは呆れてしまうような言葉だった。
(何言ってるの?⋯⋯不妊になる毒を私に盛っておいて⋯⋯)
「絶対、嫌です。私の心を得ない限り、私を抱かないのではなかったのですか? 陛下の女嫌いの噂は何だったのですか? 本当は、いやらしい事が大好きな変態皇帝ですよね⋯⋯」
「変態皇帝は酷くないか? 俺は君に、やっとの思いで愛を伝えたのに⋯⋯房事の回数を増やして欲しいと強請ってきた君は1ヶ月前には存在したはずだぞ」
私は新しいご主人様である陛下にとにかく擦り付いていた自分を思い出して居た堪れなくなった。