元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
2.私は、本当に幸せだ⋯⋯。
私は初めてバラルデール帝国領に入った。
バラルデール帝国は馬車に乗りっぱなしで、マルキテーズ王国から2ヶ月以上も掛かる。
私はマルキテーズ王国の周辺諸国については、勉強したが帝国については知らないことが多い。
父も、今回の縁談がなければ、遠いバラルデール帝国まで手を伸ばそうとは思わなかっただろう。
馬車の外に見える風景が、目新しい。
夕暮れで暗くなり始めているのに、街灯が付いていて街中には沢山の人が行き交っている。
犬のモモだった前世の記憶を思い出してから、自分が人間であることに幸せを感じる。
目に映る全ての人たちと関わってみたいという好奇心が抑えきれそうにない。
(初めての友人ができたりして⋯⋯)
「ルミナ⋯⋯素敵ね、親が子供の手を繋いで歩いているわ。夕暮れのお散歩は空の色が移り変わって行くから楽しいでしょうね」
ルイとお母さんが手を繋いで私に会いに来てくれた日を思い出した。
ルイのご両親は彼にとっては悪い人ではない。
ただ、犬だった私のことを家族とは思っていなかっただけだ。
バラルデール帝国は馬車に乗りっぱなしで、マルキテーズ王国から2ヶ月以上も掛かる。
私はマルキテーズ王国の周辺諸国については、勉強したが帝国については知らないことが多い。
父も、今回の縁談がなければ、遠いバラルデール帝国まで手を伸ばそうとは思わなかっただろう。
馬車の外に見える風景が、目新しい。
夕暮れで暗くなり始めているのに、街灯が付いていて街中には沢山の人が行き交っている。
犬のモモだった前世の記憶を思い出してから、自分が人間であることに幸せを感じる。
目に映る全ての人たちと関わってみたいという好奇心が抑えきれそうにない。
(初めての友人ができたりして⋯⋯)
「ルミナ⋯⋯素敵ね、親が子供の手を繋いで歩いているわ。夕暮れのお散歩は空の色が移り変わって行くから楽しいでしょうね」
ルイとお母さんが手を繋いで私に会いに来てくれた日を思い出した。
ルイのご両親は彼にとっては悪い人ではない。
ただ、犬だった私のことを家族とは思っていなかっただけだ。