元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
27.モニカ、結婚式をしないか?(アレキサンダー視点)
俺もエステラ・アーデンの罪をカイザーの罪とは思っていない。
俺がジョージア・プルメル公子に死んで欲しかったのは、モニカと親密だったからで完全に私怨からだ。
「あの死体は誰なんだ」
「クレアです」
微笑みを称えながら応えるモニカに、俺は自分も同じように恨まれていることが予想できた。
自分に毒を盛った人間を処刑したのだから、当然指示した俺のことも殺したいくらい憎いのだろう。
「私は先程もお伝えした通り覚悟を決めています。反逆者一族の人間を逃しました。それは極刑に値する大罪です」
目を瞑って俺に委ねるように沙汰を待つ彼女は本当にずるい女だ。
俺は彼女を手放せない。
無垢で、残酷で、賢くて愛おしくて仕方がない俺の妻だ。
「モニカ⋯⋯君に罰を与えるよ。一生君が憎くてたまらない俺の隣で過ごすんだ⋯⋯」