元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。

31.私がジョージの事を想うのは当然でしょ。

 スレラリ草の毒に侵されている状態だと聞いたが、突発的な熱と不妊以外は気にする必要がないだろう。

 私は私のやるべき事をやるだけだ。

 私は朝から、ずっと私と過ごそうとするアレクを引き剥がして部屋で今後の対策をしていた。

 アレクは私がブームなのだろう。
 本当に人間とはどこの世界でもトイプードル、パグ、チワワとブームによって可愛がるペットを変える。

 私はそのようなブームさえもない雑種犬だった。
 今は時の皇帝のブームになっているのだから、感謝して彼に尽くすべきだろう。

 ノックの音と共に、見知らぬ令嬢がやってきた。

侍従に連れられてきたその少女は茶色い短い髪と瞳をした割と地味な女の子だ。
 彼女からは私への敵意を感じないので、不思議な感じがした。
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