元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
それにしても、私はいつまでアレクの気まぐれな想いに振り回されなければならないようだ。
彼は今は熱く私に愛を語ってきているが、1ヶ月後には興味をなくす事が分かっている。
私の不安や想いなど、いつも自分の気持ちだけを考えていれば良い立場にある彼には理解できない。
「私がジョージの事を想うのは当然でしょ。ジョージは私のことをよく考えてくれてましたから。どいてください! リアナと建国祭の準備をしたかったのです」
私がアレクを押し返すと、彼は寂しそうな顔をした。
その顔に一瞬胸を締め付けられるが、彼にハマりすぎると自分が後々苦しくなる。
彼のことは気が変わりやすいご主人様として、今の所一時的に身を寄せ尽くすくらいの気持ちでいた方が良いだろう。
「いや、君の言う通りに仕事をして来たのだがからご褒美を貰えるまでは、ここを退けないな。俺が誰よりモモを想っている」