元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
33.私はもう子供を産めません。
あれから1年の時が経った。
私の執務室の机には父からの手紙が机の上に積み重なっている。
私はその手紙の束から1つをとった。
『モニカ、なぜ、手紙を返さない! まさか、あの若造皇帝にお前が誑かされたのではあるまいな⋯⋯』
手紙の内容は私を罵倒する言葉が羅列していた。
(父は本当に私を道具としか考えていない⋯⋯)
人に忠誠を誓う元犬であった私。
だけれども、私を捨てた相手までに忠誠は誓えない。
マルテキーズ王国の規模では私の助けなくバラルデール帝国を責めるのは不可能だ。
私は意を決して、席をたちアレクの執務室に急いだ。
ノックをして部屋に入るとアレクとその補佐官は私の登場に驚いていた。
アレクが手を挙げて補佐官を下がらせる。
「モモ、どうした? お腹が空いたのか?」
アレクの的外れな言葉に思わず苦笑いが漏れた。
彼は不思議な人だ。
気性も荒く自分勝手で最初であった時は、対応に困った。
それでも、今は何よりも私を優先してくれているのが分かる。
「アレク、カイザーを立太子させてください。私はもう子供を産めません」
私の執務室の机には父からの手紙が机の上に積み重なっている。
私はその手紙の束から1つをとった。
『モニカ、なぜ、手紙を返さない! まさか、あの若造皇帝にお前が誑かされたのではあるまいな⋯⋯』
手紙の内容は私を罵倒する言葉が羅列していた。
(父は本当に私を道具としか考えていない⋯⋯)
人に忠誠を誓う元犬であった私。
だけれども、私を捨てた相手までに忠誠は誓えない。
マルテキーズ王国の規模では私の助けなくバラルデール帝国を責めるのは不可能だ。
私は意を決して、席をたちアレクの執務室に急いだ。
ノックをして部屋に入るとアレクとその補佐官は私の登場に驚いていた。
アレクが手を挙げて補佐官を下がらせる。
「モモ、どうした? お腹が空いたのか?」
アレクの的外れな言葉に思わず苦笑いが漏れた。
彼は不思議な人だ。
気性も荒く自分勝手で最初であった時は、対応に困った。
それでも、今は何よりも私を優先してくれているのが分かる。
「アレク、カイザーを立太子させてください。私はもう子供を産めません」