元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
そして、最近何やらマルテキーズ王国周辺が騒がしい。
その元凶がランサルト・マルテキーズ国王だ。
野心家の彼は国民に徴兵の義務を化し、屈強な軍隊を作った。
彼の息子であるマルセル・マルテキーズも計略に長けている。
そして、絶世の美女と噂の彼の娘、モニカ・マルテキーズは「魔性の悪女」との異名まである恐ろしい女だ。
騙されていると分かっても、各国の政府の要人は彼女にはまり機密情報を漏らしてしまうらしい。
「陛下、恐縮ですが、そろそろ妻を娶られませんと後継者の問題もありますし帝国民に不安が広がります」
レイモンド・プルメル公爵がに妻を娶るようにとしつこく迫ってくる。
そして、次に彼は自分の娘である俺と同じ歳のマリリン・プルメル公女を薦めてくるだろう。
マリリンもプルメル公爵に似て野心家で、幼い頃から俺に擦り寄ってきた。
父親と同じ銀髪に紫色の瞳をしていて顔立ちも似ているので、たまに公爵が女装して纏わりついて来ているように錯覚しゾッとした。
いつも彼女は甘ったるい香水をつけているが、匂いがきつくて近寄られると吐きそうになる。
(まあ、マリリン以外の女もみんな臭い女ばかりで⋯⋯不快だ)