元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。

14.貴方が愚かで陛下の足を引っ張る馬鹿女だからです。

「待ってください。私は関係ありません」
 
 立ち上がって無罪を主張するカリーナ・ミレーぜ子爵令嬢は、権力のあるマリリンの近くにいることで自分も強くなったと感じる典型的な取り巻きだ。

 どうやら、そういった人間は寄生している相手を切り捨てるのも早いらしい。
(寄生するにしても、もっと相手を選ばなきゃね⋯⋯) 

「そうですか。でも、そもそもミレーぜ子爵家はこのような罪を犯す以前に問題のある貴族家ですね。皇家の資金を横領しているので、すぐにでも爵位剥奪されるでしょう。私との関係はなくなりそうですね」

 私の言葉に驚いた顔をしている彼女は自分の家の行っている悪事も知らないらしい。

 これ程までに無知でお茶をして人を笑って生きられた今までに感謝して、彼女には消えて欲しい。

「あら、ご自分の家のことなのにご存知なかったの? 本当に優雅な貴族令嬢ですこと」
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