元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
ここに来た頃から、ほのかにジョージの甘い柑橘系のコロンの香りを感じていた。
草葉の陰の方から気配がするので、何の目的か分からないが私たちの話を聞いていたのだろう。
彼も何か下心があって私に近づいてきた男の1人なのかもしれない。
せっかく、仲良くなったけれど、彼ともお別れになりそうだ。
彼にとって私との時間は何でもないものだったのかもしれないが、私にとっては楽しくて夢のような時間だった。
彼女たちに私を攻撃なんてして欲しくなかった。
同年代の貴族令嬢の友人が欲しかった。
攻撃されても我慢して、笑顔でコオロギ入りのお茶を啜れば仲良くなれたのだろうか。
私は何の企みもなく仲良くしてくれる友人が欲しい。
思っていたよりも、このお茶会に期待していたようで私は泣きたくなった。