元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。
先皇陛下を心不全と診断した皇宮医はプルメル公爵家と長い間、癒着していた。
該当皇宮医にプルメル公爵家から金の流れがある。
皇宮医は皇族の健康状態をプルメル公爵家に流していた可能性が高い。
そして、おそらく今度はその状況をネタに、先皇陛下の死因を心不全だと偽装させられた可能性がある。
そして、先皇陛下が亡くなったとされる日の翌日にメイドをはじめ15人の皇宮に勤務する職員が入れかわっている。
暗殺を目撃した可能性のあるものを、始末したか、莫大な退職金を払い故郷に帰したのだろう。
該当月に曖昧品目の支出の計上があった。
アレキサンダー皇帝が、レイモンド・プルメル公爵の罪に気がついていないとは思えない。
陛下は気がつきながらも、決定打がなく処分できていない可能性が高い。
「まず、レイモンド・プルメル公爵とマリリンは南部の領地から今後一切出てくることのないようにしてください」
「もちろんです」
「ジョージは、これからは陛下とバラルデール帝国の為に尽くすと誓ってください。私もただでさえ少ない貴族が減るのを望んではいません」
「僕の名において誓わせて頂きます」
本来ならば、陛下にお伺いを立てて裁判で処分を決めるべきだ。
先皇陛下は陛下にとって父親なのだから、真実を告げれば陛下はプルメル公爵家に極刑を求めるだろう。
陛下が求めなくても、皆が皇族殺しは一族処刑されるものだと知っている。
それでも、私は唯一友人のように話せるジョージの要望を聞いてしまった。