萌え

とある街に二人の男女が住んでいました。
これはそんな二人の
物語……。

***

「宮本!おい、宮本!」

一人の教師が長身の男の肩を掴んだ。
するとその男はギロッとその切れ長な目で睨むと教師の手を振り払った。

「遅刻ぐらいでガタガタ言うんじゃねぇよ」

吐き捨てるようにそう言うと男は凍り付く教師をそのままにさっさと屋上へと姿を消した。


この男、宮本武蔵。
身長180cmと長身で髪は金に近い茶、目は切れ長で鋭い。

仲の良いグループ以外の生徒は彼をひどく恐れている。
理由は彼の性格だ。

「あ、宮本君。それ僕の漫画……」

「あ?がり勉のクセにいっちょ前に漫画なんて読んでんじゃねぇ!これは没収だ!」

「そ、そんな〜!」


彼は超がつくほどの「俺様」野郎なのだ。
『お前の物は俺様のモノ。俺様の物は俺様のモノ』がモットー。
…早い話がジャイアン男だ。

そのため、全校生徒はおろか教職員までもが彼を恐れている。

ただ、一人を除いては……。
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