告白


チュンチュンとスズメが鳴く、午前10時。
晴れやかな空に似つかわしくない男が一人……。

「あの女…意味分かんねぇ!」

いつも通り、授業をサボって屋上に来た武蔵はそのまま地面にゴロンと寝転んだ。

本当は眠りに就きたいが目を閉じればあの場面ばかりが過ぎる………。


『…全然萌えない』


キス一つで女を落としてきた武蔵にとって日美子が言い放ったあの言葉はプライドを傷つける以外の何ものでもなかったのだ。

「この俺が…この俺様が……」

頭を抱え、全てに絶望したような顔をした武蔵は澄み切った青空に唾を吐いた。

「…何すんだよ!」

……はずだった。

「あ…………」

武蔵が唾を吐いたのは澄み切った青空ではなく幼稚園からの幼なじみ、信長の顔面だった。

「ったく…汚ねぇな!」

信長はブツブツ言いながら持っていたタオルで鼻についた武蔵の唾を拭き取った。

「何してんだ、信長」

「それはこっちのセリフだよ!担任に言われてお前呼びに来てやったのに…何だよ、この仕打ち!」

信長は拭き終えたタオルを軽く武蔵に投げ付けた。
それを武蔵は面白そうに笑いながらキャッチした。
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