キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。
「朝食、持ってきます」

「いや、もう大丈夫。食欲失せたから」

「そうですか……?でも食べないと力出ないですよ」

「あとでゼリーでも食べるよ」


無理やり食べさせたいわけでもないので、大人しく折れた。

それから執事さんと護衛を交代して、メイド服から制服へと着替えた私。


理人様のご厚意で、同じ車に乗せてもらい、学園に向かうことに。

ここで働き始めて2日目だけど、我ながら生きている心地がしない。

だって、だって……!ファンクラブの女の子に知られたりなんてしたら、私どうなるかわからないもん……!!


「……?大丈夫、玲奈」

「あっ、は、はい……理人様こそ、お腹空いてませんか?」

「ああ、全然。ぼーっとして、何考えてたの?」


私の方に伸ばされた手が、そっと髪を撫でた。


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