お嬢様は幹部たちから逃げ切りたい
 宝石のマリオネット。

今思えば、母は私の事を操っていた。

私を思い通りにして、一つのコレクションとして飾っていた。

 彼女は完璧なものしか欲しがらなくて、欠陥品は容赦無くゴミ箱に入れた。

だから、私は完璧を演じたのだ。


 なんでも一番じゃなければいけない。

勉学も、武術も、礼儀作法だって。

全てを磨き上げて、綺麗なお人形さんの様に動いた。

 服も進路も食べるものも、全て言われた通りのものしか貰わなかった。

それで、私は十分満足していた。


 でも、マリオネットの糸は千切れた。

もう、私を操る者はいない。

 自由になった反面、動けなくなり、何も出来なくなった私。

さあ、どうやって動こうか__
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