クールな幼なじみと甘い再会

デレデレ幼なじみ…?

「うわぁ……」

エナメルの靴を光らせて、私は高校の前に立つ。
この靴も、制服も新しくてピカピカだ。

私、小栗アリサ。
つい数日前まで、アメリカで留学していたの。私の夢はファッションデザイナーで、高校2年間、寮で暮らしていたんだ。

今両親に高校まで送ってもらったの。
桜吹雪でセットした髪にも桜がつく。
高校最後は日本で過ごすぞー!!



◇◇◇◇◇
新学期で式も終わり、私は先生に案内してもらって3-Aの教室に踏み込んだ。

「小栗アリサです、2年間アメリカで留学していました。高校最後の1年、みなさんと楽しい思い出を作りたいです!」
パチパチと拍手が起こって、先生が席を指定する。

私は誰の隣だろう…?
席に深く座って、隣の人を覗き見る。
……え?

「か、カズマ……?」

「久しぶり、アリサ」

――林カズマ。
私の、幼なじみ。黒黒とした艶のある黒髪に、薄い唇。
昔からイケメンと人気な男子。

私も何年もカズマといたからわかるけど、コイツはとってもクールだ。
人見知りというのもあるだろうけど、とにかく何考えているか分からない。

3年前くらいにようやく彼の意思が分かってきたくらいだ。

それくらいの付き合いだから分かる。
でも、2年ぶりに会ったカズマは……。


まるで、以前向けられたことも、誰かに向けたこともないような笑顔を浮かべていた。

「ひ、久しぶり」

元気だった?と返せば彼がイケメンな顔をほころばせてふにゃっと微笑む。
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