7日間の光
【残り4day】


  今日はいつもより学校に着くのが遅くなってしまった。


 きっと大川は先に来てるだろう。


  教室に入ると案の定大川はもう来ていた。


 待たせちゃったかなと思い、退屈そうにいる彼のもとへ近づく。


 顔を覗き込むようにしゃがむとすやすやと寝ている顔がそこにはあった。


  あまりに気持ちよさそうに眠っているものだから起こすのが可哀想になってくる。


  そう思いながらも大川を観察しているとさらさらの髪の毛に思わず手を伸ばしそうになってしまう。


 今までしっかりと顔をよく見たことがなかったが、普段の行動からは想像つかない儚い顔つきをしているのだなと思った。


  たしかに、


 よく考えてみたら動きと物音だけが大きいが、


 あとはなんだかんだこの顔でスマートにこなしているように見えていたような気がする。







  ―――時計の秒針の音が教室に響く。







  なんだか私の鼓動も早い気がした。


  大川の顔に手を伸ばそうとしたその時、 大川の顔を見ると目が合った。  







 「っ!」





  思わず驚いて固まってしまう。






  「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」





  最初から起きていましたと言わんばかりの目の開き具合だ。


  まさか起きているとは思わなかった。


 そして目じりを下げて笑う大川。


 今日は何故だか真っ直ぐに目を見ることができない。


  きっとこれは、恥ずかしかったから顔を見れなかっただけ。


  うん。きっとそう。


  そう、思いたい。


  一人で先にカレンダーを描きながら自分に言い聞かせていた。


 
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