きみのいちばんぼし

1章 すかれたい

4時間目の終わりを知らせるチャイムが鳴り、皆が一斉に息をついた。


「はーい委員長さん合令かけてー」


先生の声に委員長が「起立」と声を出す。


私もまだまだ書き写し終わりそうにないノートを書く手を止めて席を立った。


「礼」の相図で「ありがとうございました」もそこそこに皆がバラバラと散り始める。


私も黒板の板書の写真を撮ってノートを閉じた。


皆やっとお昼になって解放感に浸ったような表情をしているけど、私にとっては休み時間よりも授業の方が楽だったりする。


だって授業中は誰の目も気にしなくて済むから。


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