きみのいちばんぼし
同時に過去の出来事もフラッシュバックされて、胃がキリキリした。


そうだ。今の毎日に不満を抱くなんて贅沢な話だ。


あの時に比べたら、私は上手く毎日を過ごしている。


ほら、だからこんなに頼られてるんでしょ。


今のままでいい。


今のままいけば、誰にも嫌われない。


私の毎日はとても充実してる。


でも、


「なんか…ちょっと疲れちゃったかもなぁ…」


ははっと自傷気味に笑った時だった。


突然大きな音をたてて教室の前ドアが開いた。


はっとして上体を起こす。


「えっ、なんで、」


そこには、私が後で運ぼうと思っていた残りの提出物を抱えた、クラスメイトの瀬名 蒼がいた。
< 10 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop