きみのいちばんぼし
そんなことを言われて辛いような、そんなことを言われる自分が憎いような。


複雑で、整理できなくて、今は誰とも話したくなかった。


だから、家に着いてもすぐドアを開ける気にならなかった。


いつもより遅いこの時間、きっとお母さんはもう帰ってきてる。あと、妹の紗良も。


絶対話しかけられたくない。


今話しかけられたら、たぶん八つ当たりする。


極力音をたてないように、そっと玄関に入ってすぐそこの階段に向かう。


「あ、姉ちゃん」


げ、と思った。最悪だ。


よりによって、小四になって反抗期真っ只中のこいつに見つかるとは。
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