きみのいちばんぼし
友達に嫌われる辛さも、私の気持ちも何も分かってない紗良には言われたくない。


思わず叫ぶ。


「いい加減にしてよ!ほっといてって言ってんじゃん!!」


その声を聞きつけたのか、いつの間にかお母さんがリビングから飛び出してきていた。


「心羽、紗良何してるの?!心羽はただいまくらい言いなさい!!」


本当に最悪だ。今日は本当についてない。


小さい声で「わかってるよ」と言いながらそのまま背を向けて階段を上る。


このままここにいてもさらにヒートアップしていくだけだと思った。


「心羽!中間テスト近いんじゃないの?!ちゃんと勉強しなさいよ?!」


「分かってるってば!!」


もうだまっててよ。


階段をかけ上って一番奥にある私の部屋に飛び込む。


勢いよくドアを閉めて、その場にへなへなと座り込んだ。
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