きみのいちばんぼし

4章

｢お前のそういうところ、すっげえ嫌い｣


そう瀬名くんに言われてからしばらくして、中間テストが行われた。


結果は最悪だった。


いつもは順位を1桁でキープできるように必死にテスト対策をしていたけど、


今回は机に向かう度に瀬名くんのあの言葉が頭をよぎってなにも集中できなかった。


癪に障るのは、その元凶である瀬名くんが一位をとったということ。


忘れていたけど、彼は頭がいい。


普段の私も、彼の点数に勝ったことは無かった。


『珍しいなあ泉。どうしたんだ』


先生たちにもそう言われたけど、正直に｢瀬名くんに嫌われたからです｣なんて言えるはずもなく、


バカの人覚えみたいに｢すみません｣を繰り返していた。
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