きみのいちばんぼし
でも、何も知らない結にそんなこと言えないし、


あのことは結にも知られたくない。


どう思われるか分からないから。


だから、「なんでかな〜…」なんて言って、笑って誤魔化す。


「特に理由はないんだけどねー…」


「ふーん、そっかー…まぁ、でもさ!!」


急に結の声に張りが出る。


窓枠にもたれかかるようにしてこちらを見る結の目がキラキラ輝き出す。


「もうすぐで林間学校だよ!次の授業班決めするんだって!楽しみでしょ?元気だしなって!!」


バシンと私の背中を思い切り叩いてにかっと笑う結。


結はこうやって誰かを励まして明るくさせるのが得意だ。


きっと、だからみんなに好かれる。


私は、こんなふうには出来ない。
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