きみのいちばんぼし
え、と思ってじっと結の目を見つめると、結はへらっと笑った。


「いやー、実はさっきの古典寝ちゃって〜」


確かに、3時間目が保健体育なのもあって、4時間目の古典は寝ている人も多かった。


でも、寝ていた人に授業を頑張っていた人がノートを見せてあげる必要は、あるんだろうか。


それも、1回ならまだしも、結がこうやってノートを頼んできたことは数え切れないくらいある。


揺れる。


私の、「学校での良い子な私」が揺れる。


正直、見せたくない気持ちもあった。


でも、私は「良い子」だ。みんなに好かれる、絵に書いたような「良い子」。


それに結も悪気がある訳では無いし、結は優しくて頼りになる、高校内での私の一番の友達だ。


そう、一番の友達なら、きっとこうする。
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