きみのいちばんぼし
「しょうがないなー、今回だけだよ?」


そう言うと、結の申し訳なさそうだった目がパッと輝いた。


「ほんと!もう心羽最高だよいつもありがとー!!」


ガバッと抱きつかれて「重いよ」と笑いながらも内心は大満足だった。


断らなくて良かった。これで私は今日も「結の一番」だ。






昔から私は一番に執着する子だった。


運動会のリレーでもテストでもなんでも一番じゃなきゃ気がすまなかった。


いつからだろう、それが人間関係にも影響したのは。


誰かの一番でいたい。


ただ好かれるだけじゃ物足りない。


心羽はやっぱり一番の友達だって、そう思われたい。


クラスメイトや上級生、先生に嫌われるなんて有り得ない。


皆に好かれて皆に囲まれて、理想の自分でいたい。


そう考えてしまう私は、おかしいんだろうか?
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