最強男子はあの子に甘い
仲良くしようよ!
桜辰高校は各学年、五クラスが基本だそうだ。
嬉しいことに同じクラスだった湯川くんがそう教えてくれた。
入学式が体育館へ自由集合のように始まったから、教室には荷物を置きに行ったくらいにしか記憶していない。
式が終わったあと、湯川くんと教室に入るとやはり体育館に負けず賑やかだ。
出席番号順で黒板には座席と名前を割り振られた紙がマグネットで留められていたけど、その上に大きくバツがついてて『全席自由!早い者勝ち!』とチョークで大きな殴り書きがある。
きっとクラスの誰かが勝手に決めたのだろう。
わりとそういうのが嫌いじゃないと思ってしまうあたり、やっぱり私には桜辰が合っているのかもしれない。
教室に置いていた私の荷物はそのまま。
傷つけられることもなく、何かが盗られたということもない。
桜辰の生徒はケンカを好んでも、自由奔放でも、悪事はあまり好まないらしい。
その境界はまだよくわからないけれど。
「どこ座ろうかぁ……」
のんびりした声で迷う湯川くんと教室を見渡すと、窓際の一番後ろの席にはシルバーに染まった髪色がまるで手招くように目立って見えた。
嬉しいことに同じクラスだった湯川くんがそう教えてくれた。
入学式が体育館へ自由集合のように始まったから、教室には荷物を置きに行ったくらいにしか記憶していない。
式が終わったあと、湯川くんと教室に入るとやはり体育館に負けず賑やかだ。
出席番号順で黒板には座席と名前を割り振られた紙がマグネットで留められていたけど、その上に大きくバツがついてて『全席自由!早い者勝ち!』とチョークで大きな殴り書きがある。
きっとクラスの誰かが勝手に決めたのだろう。
わりとそういうのが嫌いじゃないと思ってしまうあたり、やっぱり私には桜辰が合っているのかもしれない。
教室に置いていた私の荷物はそのまま。
傷つけられることもなく、何かが盗られたということもない。
桜辰の生徒はケンカを好んでも、自由奔放でも、悪事はあまり好まないらしい。
その境界はまだよくわからないけれど。
「どこ座ろうかぁ……」
のんびりした声で迷う湯川くんと教室を見渡すと、窓際の一番後ろの席にはシルバーに染まった髪色がまるで手招くように目立って見えた。