最強男子はあの子に甘い
「……すごく嫌われました」
「僕もすごく嫌われてますよ」
「嫌われる理由とは……」
「僕の場合は、僕が小坂さんのことを先に嫌ったからですね。僕、大嫌いなんですよ。あのひと」
極上の笑みを浮かべて至極さわやかに姫のことを『大嫌い』と告白した乙部さんは強い。
ケンカをしなくても強い。わかる。
「見ていて鬱陶しいくらいには彗さんに懐いているので、そういった仲にも見えるかもしれませんが。小坂さんには恋人がいるので、二人は榎本さんが想像しているような関係ではないです」
乙部さんが言い切って、私は事実を知りポカンと口が開いたまま。
次第に穴を掘って埋まりたくなるくらいの恥ずかしさが押し寄せてくるのを感じていた。
「では、無事何事もなく送り届けましたので。僕はこれで」
「……あ、ありがとうございました」
表札を確認した乙部さんと挨拶を交わし、家の中に入るとすぐに恥ずかしさが爆発した私は「あぁ~……!」と声を上げながら玄関マットの上に倒れ込んで悶絶する。
私が彗くんを好きな気持ちは、私よりもきっと周りの人のほうがよく知っている。というか気づいている。
そんな気がしたからだ。
「僕もすごく嫌われてますよ」
「嫌われる理由とは……」
「僕の場合は、僕が小坂さんのことを先に嫌ったからですね。僕、大嫌いなんですよ。あのひと」
極上の笑みを浮かべて至極さわやかに姫のことを『大嫌い』と告白した乙部さんは強い。
ケンカをしなくても強い。わかる。
「見ていて鬱陶しいくらいには彗さんに懐いているので、そういった仲にも見えるかもしれませんが。小坂さんには恋人がいるので、二人は榎本さんが想像しているような関係ではないです」
乙部さんが言い切って、私は事実を知りポカンと口が開いたまま。
次第に穴を掘って埋まりたくなるくらいの恥ずかしさが押し寄せてくるのを感じていた。
「では、無事何事もなく送り届けましたので。僕はこれで」
「……あ、ありがとうございました」
表札を確認した乙部さんと挨拶を交わし、家の中に入るとすぐに恥ずかしさが爆発した私は「あぁ~……!」と声を上げながら玄関マットの上に倒れ込んで悶絶する。
私が彗くんを好きな気持ちは、私よりもきっと周りの人のほうがよく知っている。というか気づいている。
そんな気がしたからだ。