最強男子はあの子に甘い
「……榎本さんは桜辰に進学すること、周りに反対されませんでしたか?」
「ドン引きされましたけど、私は乙部さんみたいに頭がいいわけでもなかったのでさほど……」
「桜辰に進学して失敗したなと思うことは?」
「来て良かったです!すごく楽しいですよ!友達も出来たし!……彗くんもいるし!あ、もちろん乙部さんと会えたことも!よかった、なぁ~……って……こと、ではなく?」
私が桜辰の魅力について浮かれて語れば語るほど、乙部さんが重そうに頭を抱えていた。
「……乙部さん何か、お悩みですか?」
「中学三年生の妹が、桜辰への進学を希望してることを知りまして」
「あー……でも、乙部さんがいれば大丈夫じゃないですか?」
「そう言って僕以外、誰も反対しないんですよね……」
乙部さんはよろめくように近くの壁に寄りかかって、もうすでに妹さんの入学が決まったかのように苦悩している。
気が早い。
「かわいい妹さんに、もしものことがあったら……っていう?心配ですか?」
「いえ、妹はただのおてんばなのでいいんですけど。彼女には小さな頃からどこに行くにも一緒と言っていいほど、仲のいい友達がいまして……」
「進学も一緒に桜辰を希望してる、みたいな?」
私が察してつづけると乙部さんは力なく頷いた。
おてんばな自分の妹のことで悩んでいるのか、はたまたそのお友達がついてくることに悩んでいるのか。
私にはどうも乙部さんは、妹の友達のことをとても気にかけているように思えて仕方ない。
「ドン引きされましたけど、私は乙部さんみたいに頭がいいわけでもなかったのでさほど……」
「桜辰に進学して失敗したなと思うことは?」
「来て良かったです!すごく楽しいですよ!友達も出来たし!……彗くんもいるし!あ、もちろん乙部さんと会えたことも!よかった、なぁ~……って……こと、ではなく?」
私が桜辰の魅力について浮かれて語れば語るほど、乙部さんが重そうに頭を抱えていた。
「……乙部さん何か、お悩みですか?」
「中学三年生の妹が、桜辰への進学を希望してることを知りまして」
「あー……でも、乙部さんがいれば大丈夫じゃないですか?」
「そう言って僕以外、誰も反対しないんですよね……」
乙部さんはよろめくように近くの壁に寄りかかって、もうすでに妹さんの入学が決まったかのように苦悩している。
気が早い。
「かわいい妹さんに、もしものことがあったら……っていう?心配ですか?」
「いえ、妹はただのおてんばなのでいいんですけど。彼女には小さな頃からどこに行くにも一緒と言っていいほど、仲のいい友達がいまして……」
「進学も一緒に桜辰を希望してる、みたいな?」
私が察してつづけると乙部さんは力なく頷いた。
おてんばな自分の妹のことで悩んでいるのか、はたまたそのお友達がついてくることに悩んでいるのか。
私にはどうも乙部さんは、妹の友達のことをとても気にかけているように思えて仕方ない。