推しグッズvs大人気アイドル 胸キュン溺愛対決
2
 

 わたしの前にペンライトの(ひかる)くんが表れてから、一週間がたちました。


 彼と同居してみて思うこと。

 うん、重い。

 彼の体重がじゃないよ。

 背が高くて手足が長いけれど、モデルみたいに体が引きしまっているし。

 距離感っていうか、まとわりついてくる頻度っていうのかな。

 ご主人様にべったりな大型犬みたいなんだ。

 ちなみにわたしがご主人様ポジ。



 わたしが宿題をしている時も隣、夕飯を作ってるときも隣。


 部屋で演劇の練習をするときは、ベッドに座り真ん前からわたしをガン見。

 ペンライトのごとく『ひまり、演技上手』ってキラキラの笑顔で拍手をしてくるから、集中力がとけちゃうし。


 ノエル君のライブ映像を楽しもうとするとほっぺがプクリ。

 『俺だけを見て欲しい』と、ふてくされるし。


 夜はわたしのベッドにもぐりこもうとするから


 『寝るときは自分の部屋でしょ!』


 背中を押して、部屋から追い出すんだけど


 『ひまりが学校に行ってる間は一人だから、家にいる時はずっと一緒にいたい』


 耳が垂れたワンちゃんみたいにシュン。

 とぼとぼと自分の部屋に行く光くんを見てると、かわいそうになっちゃう。


 ううん、適度な距離感は大事大事。

 もともとペンライトだからって、警戒心はちゃんともっていないと。


< 20 / 35 >

この作品をシェア

pagetop