推しグッズvs大人気アイドル 胸キュン溺愛対決
「ひまり、もう中学に行く時間?」
玄関で靴をはいたわたしの袖を、光くんがひっぱった。
「俺も早く中学に行きたい」
騎士のように凛とした顔面パーツが悲しそう。
キラキラ笑顔の時と落ち込んでる時のオンオフがはっきりしているところは、やっぱりペンライトだなって思っちゃう。
光くんの顔に照度が戻りますようにと、わたしは声を弾ませた。
「通学の許可が出てよかったね。書類を出したりする手続きさえ終われば中学に行けるから、もう少しの辛抱だよ」
「今日は陽葵を学校まで送ってく」
「いいよ」
「じゃあ俺も靴を履いて……」
「違う、反対、送っていかなくていい、っていうかダメだよって意味」
「どうして?」
「昨日、二人でコンビニに行ったでしょ」
「陽葵と二人だけのお散歩、楽しかった。今度は公園にピクニックに行ってみたい。一緒にお弁当作ろう」
キラキラ照度が顔に戻っている光くんに、わたしはため息を吐く。