推しグッズvs大人気アイドル 胸キュン溺愛対決
「演劇コースに転入ってことは……」
最推しを生で拝められるのでは?と、心臓がはしゃぎだす。
遠巻きからのチラ見じゃない。
同じクラスになれる可能性だって生まれちゃった。
席が隣同士になったりして。
教科書忘れちゃったから見せてくれる?って微笑まれて、机をくっつけて授業を受けちゃったり。
お芝居の練習の時、ペアになっちゃったり。
「はぁぁぁムリムリ」と、ペンライトを持っていないほうの手で胸をさする。
瞳が溶けちゃいそうなほどの至近距離は、心停止の恐れありだもん。
授業中にノエル君と目が合いキュン死しましたなんて、シャレにならないよ。
誰か夢だと言って。
推しは画面越しに愛でるくらいがちょうどいいの。
心まで綺麗なノエル君に私が吐いた汚い空気を吸わせちゃったらと思うと、罪悪感すごいし。