Sweet Xmas☆
ヨッシーが差し出してくれたのは、イルミネーションで彩られる競馬場の入場用前売り券だった。

それにしても、いつこんなの手に入れたのだろう。

「何でこれ、ヨッシーが持ってるの?

とにかく、ヨッシーも一緒に行ってくれる、ってことでいいのよね」

「はぁ?
当たり前。

行く予定なかったら誘わないだろ、普通。

俺は、隣ではしゃいでる深明を写真に収めるの、何か好きなの。

こんなはしゃぐ姿、俺だけしか知らないんだな、って思うと特別な感じがしてさ。

それじゃダメなの?深明」

「いや、むしろ嬉しいけど、さり気なく嬉しいこと言うの止めてくれる?照れるじゃん」

「深明の可愛い姿、俺だけなんだよなぁ、知ってるの。

俺としては、そのまま俺だけに見せててほしいんだけどさ。
深明の可愛いところは全部独り占めしたい。

とりあえず、現地集合だと遠いから、深明の家まで迎えに行くから」

ヨッシーはそう言うと、とりあえず、昇降口に行こうぜ、と私の手を引いた。

「多分、宝月の執事が来てる頃だろ。

まずは、お疲れ様会を楽しむのが先だな」

こうして自然に学園内で手を繋ぐことができる。

恋人なんだ、というのを実感できて嬉しいけど、何か緊張する。

こんなんじゃ、キスとかその先とか、することがあったら。

緊張しすぎて、心臓飛び出しちゃうんじゃないかな……

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