Sweet Xmas☆
「これで、いいかな……」

変じゃない、よね?

いつもはポニーテールかそのままおろすことが多い髪も、ハーフアップにしている。

お疲れ様会のときに、いくつか麗菜からハーフアップのアレンジの仕方を教わった。

服は、麗菜に買い物に付き合ってアドバイスをもらった薄いパープルのニットに、チャコールグレーのチュールスカートだ。

黒のショルダーバッグに、黒ショートブーツ。
カバンには、キャラクターのぬいぐるみや、アクリルキーホルダーがいくつもぶら下がっている。

服装のアドバイスをくれた麗菜には感謝しきりだ。

メイクを終えた頃、インターホンが鳴った。
モニターを覗くと、見知ったヨッシーの顔が映った。

「あ、今鍵開けるね、ちょっと待ってて」

家の玄関を開けると、ヨッシーが一瞬きょとんとした顔をしていた。

「人の家に入るなり、何て顔をしてるのよ、全く」

「別に変な顔してねぇよ。
彼女に見惚れて何が悪いわけ?

大学生でも通じるくらい、大人っぽい彼女持てて幸せだわ」

「ねぇ、さらりと褒めるの止めてくれる?
褒められるの、慣れてないんだからさ」

「んー?
褒めちゃダメなの?
ホントのこと言ってるだけじゃん。

ホラ、支度終わってるなら行くか。

バスが出る駅まで、少し乗り換えもあるし。
ショーが見れなくなるの、深明が困るだろうし」

ヨッシーを先に玄関から出させて、指紋にて鍵をかける。

駅までの道で、自然に手が絡まった。

< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop