相談室のセンセイと、秘密の時間
2. どこか、一緒に行こう
「ただいま」
「姉ちゃんおかえり、遅かったじゃん」
家に帰ると、今日も自由人の弟の声がした。
いつものようにリビングのソファに昼寝前の動物園のゴリラのように気だるげに横たわって、お菓子をくわえながらスマホに夢中だ。靴下も制服も汚れたままその辺にほおり投げられている。
「これ、片付けなよ」
「めんどくさ」
弟を前にすると、姑のような小言を抑えることができない。
中学二年生の弟は昔から何もかもをテキトーに済ます性格で、私とはまるで正反対だった。両親が離婚することになった時もまだ7歳だった弟は「ふーんいいんじゃね」としか答えず、あとは何もかもがいつも通りだった。
「ご飯はどうする?」
「ともとマックでアップルパイとポテトとソフトクリーム食べてきたんだけどまだ食べれる」
「成長期はすごいな」
「だからだるいんだよ、姉ちゃん制服片付けてー」
「やだ」
「何だよ〜」
と言いつつ、プスプス文句を言っている。
こんなにざっくばらんな弟に救われた部分は正直大きいんだと思う。
だけど私は弟のようには生きられないことも知っている。
「姉ちゃんおかえり、遅かったじゃん」
家に帰ると、今日も自由人の弟の声がした。
いつものようにリビングのソファに昼寝前の動物園のゴリラのように気だるげに横たわって、お菓子をくわえながらスマホに夢中だ。靴下も制服も汚れたままその辺にほおり投げられている。
「これ、片付けなよ」
「めんどくさ」
弟を前にすると、姑のような小言を抑えることができない。
中学二年生の弟は昔から何もかもをテキトーに済ます性格で、私とはまるで正反対だった。両親が離婚することになった時もまだ7歳だった弟は「ふーんいいんじゃね」としか答えず、あとは何もかもがいつも通りだった。
「ご飯はどうする?」
「ともとマックでアップルパイとポテトとソフトクリーム食べてきたんだけどまだ食べれる」
「成長期はすごいな」
「だからだるいんだよ、姉ちゃん制服片付けてー」
「やだ」
「何だよ〜」
と言いつつ、プスプス文句を言っている。
こんなにざっくばらんな弟に救われた部分は正直大きいんだと思う。
だけど私は弟のようには生きられないことも知っている。