相談室のきみと、秘密の時間
「君はまだ若いしきっと今日の話を聞いて、これから先も真っ当な道を選択できるんだろうなって思ってる。
でも、真っ当な道もそうじゃない道も、どっちを選んだって本当は同じくらいしんどい。思うようにいくことなんてひとつもない。
それでも君はその痛みを乗り越えられる? 乗り越えて、ちゃんと進んでいけるのかな」
「そうなれるように、誰かのことを解っていきたいって本気で思えたんです。
村越さんと出会って、はじめてそう思えたんです。
だからもうわがままは言わないようにもっと強くなれるように頑張るから思い出をください。村越さんとこの夏一番の一生の思い出が欲しいんです」
「ありがとう。勇気出して言ってくれて」
私の手を取り立ち上がるとそのまま村越さんは私の身体を抱きしめた。
「お願いだ、君だけは僕のことをセンセイと呼ばないで」
「はいーー」
「こんなに空っぽだけど、本当の僕だけを見ていてほしい」
「空っぽなんかじゃない。私の心の中には村越さんがいっぱいいます」
私の頭は彼の顎のほんの少し下にあって、感じる温もりと髪の甘い果実のような香りが心を震わせた。
でも、真っ当な道もそうじゃない道も、どっちを選んだって本当は同じくらいしんどい。思うようにいくことなんてひとつもない。
それでも君はその痛みを乗り越えられる? 乗り越えて、ちゃんと進んでいけるのかな」
「そうなれるように、誰かのことを解っていきたいって本気で思えたんです。
村越さんと出会って、はじめてそう思えたんです。
だからもうわがままは言わないようにもっと強くなれるように頑張るから思い出をください。村越さんとこの夏一番の一生の思い出が欲しいんです」
「ありがとう。勇気出して言ってくれて」
私の手を取り立ち上がるとそのまま村越さんは私の身体を抱きしめた。
「お願いだ、君だけは僕のことをセンセイと呼ばないで」
「はいーー」
「こんなに空っぽだけど、本当の僕だけを見ていてほしい」
「空っぽなんかじゃない。私の心の中には村越さんがいっぱいいます」
私の頭は彼の顎のほんの少し下にあって、感じる温もりと髪の甘い果実のような香りが心を震わせた。